おかしい所は無いはずなのに 妙に自信だけついているのに
2013年12月9日 趣味酩酊の中になんだか言葉とかを手繰り寄せる作業が楽しくて仕方がなくて!
家を出てよりもう十年! インターネット様と幸せなエンゲージからもうン年!?
「ああ、一人酔って何かをするのは楽しいな!」
ふわふわモニタを見つめながらなんか反射的にタイプする、そういうことを色んな場所でやってきました!
感情が引き伸ばされるお酒様素敵! 深夜のラブレターのような何かをドロップしちゃうのとても素敵!
やってもいい場所があるから! 俺達は許されているからッ
ええ恥の多い人生を送っております!
こんこん、こんこん。
ベランダ側の窓が鳴り、慌てて駆け寄った。
すぐに音はこつこつ、ごつごつ、ごんごんがんと物騒に、重い響きに変わって行くから。
がらがらがら。
鍵を開け、サッシを開く。
「遅い」黒い翼のビンタを受けのけぞり、同時にぴりっとした冬の冷気を頬に感じた。
マイリトルラバーことベイビーラブことぼくのおよめさんこと最凶の逆十字さんは、文字通り飛んで俺の横を通り過ぎると、狭いワンルームの部屋の真ん中に着地する。
黒い羽根がはらはら舞った。
「閉めてぇ」
文句を言われたので窓を閉めた。
部屋の中は快適なエアコン様で20℃とかに保たれている。毛布もある。半纏もある。お膝掛けだって完備されてる。
ここは俺の部屋であり、俺の城だ。たった一部屋の領地。幸せに眩暈がしそう。
あの頃、実家で初めて「自分の部屋」を得て、自分だけのために作り上げてきたものの延長がここにある。ここで俺は日々を過ごす。
必要なものは全て手の届く場所にある。この狭い空間には濃密に「自分」だけが存在する。
熱燗が空になっていた。もっともっと手元に手繰り寄せる必要がある。
とりあえず電子レンジでホットカルピスなどを作った。自分用に熱燗もあたためた。
今日コープで買ってきたのはおつまみじゃない。何となくいつも瞬間の気分で決める。
ヨーグルトレーズンを小皿に開けた。甘栗も買っちゃいました。
「あったかぁい」
布に包まれなんかモフモフになっている(脳内)彼女。
カルピスをふーふーしながら口をつけてた。可愛い。俺は熱燗であったまりながらそれを見てる。
ヨーグルトレーズンも気に入ってくれたようだ。何年振りに買ったかしら。なんか懐かしい味でおいしい。
再び羽根ビンタが発動する予感はない。
フリースに埋もれて、ぼんやりお茶しながら、つけっぱなしのWBSとかを見つめてる。
これが俺の日々の光景。いつも通り。当たり前。眩暈がするほど幸せなオフ。
だからまた熱燗を一舐めして、またモニタに向き直る。
何をしようか。どんないやらしい画像を保存しようか。どんないやらしい文章を打とうか。
酩酊がどこまでも自分をふわふわと薄く伸ばして、何が何だか分からなくなったら後ろの布団に転がればいい。
この俺の俺だけの部屋の中に流れる時間はもちろん俺だけのために存在する。
「ああ、見てるわぁ」
え?
小さな声で(脳内)彼女が呟いた。
俺はモニタを見ている。彼女はTVを見ていた。
番組が終わるテロップとともに流されるどうでもいい人々達のイメージ映像。
確かにそれは、画面越しにこちらを見ていた。
見てるねえ。
と、俺も思った。カメラ目線だ。老若男女、色々な人の。
おれはいつもおさけをのんでいる。
よっぱらうと、いろいろな感情が薄く微妙に引き伸ばされる、
それがリアルだとかリアルでないとかはあまり意味がない。
酩酊の中手繰り寄せるものを吐き出したり宝石箱にしまったり、それが俺の部屋でできる俺の全てだ。
「この人達が来たら貴方、カルピスを出すのぉ?」
わたしみたいに。
(脳内)彼女は俺を振り返らずにそう呟いた。
おれはおさけをのんでいる、
何て返したか。
かも知れないけど、でもTVから人は出てこれないよ。
「窓を叩くかもぉ」
ここ三階だよ!? 羽根でもなけりゃ超オカルトだよ!?
「そうねぇ」
(脳内)彼女は小さな唇から可愛らしく息を吐いて、それはため息と言うよりは、どうしようもなく分かりきっていると言うかのよう。
「窓は叩かないわねぇ」
「開くなんて思ってないものぉ」
(脳内)彼女はこちらを見ない。
ただ、当たり前のことを説明するかのように呟く。独り言と変わらない。
「でもぉ」
わたしは。
「つい見ちゃうのよねぇ。窓の向こう」
わたしたちは。
「見て、目が合っちゃってぇ。
あ、って思ってるうちに、また誰も知らないどこかへ行ってしまうんだわぁ」
そこはだいじょうぶなところ? さびしくない?
貴方の部屋でちゃんと、しあわせになれる?
おれはおさけをのんでいる。
こっちを見てて、見られてて、気がついたけど、声をかける隙もなく相手はふっと帰っちゃう?
誰も知らないどこかへ。
泥酔してるから、あたまが回らない。毛並みがばさばさな野良猫のイメージが浮かぶ。
「そういうの、誇りだと思う? 尊いと思えるぅ…?」
ぼんやりと妄想する。
野良猫はかっこいい。きっと自由だし、尊い孤高。厳しい世界を生き抜く古強者。
黒猫なんか最高だ。きっと、決して俺の手から餌は取らない。媚びもしない。
エリアにセットオンしたフードをゲッティンしたとしてもそれは俺からの施しではない。
ただ単に新たな餌場の開拓と、自分に奉仕する下僕が一人現れただけのこと。
カッコ・・・イイ・・・!!
ぬこかわいいよぬこ。
ぬこ飼いたいよぬこ。
(脳内)彼女は、一度だけ俺を見たようだ。
そして「おばかさぁん」とでも言いたげにすぐにまた小さな背を向けた。
肩が微かに上下していた。ヨーグルトレーズンを口の中でもにゅもにゅ舐め溶かしている。
おいしいから、ため息をつく。飲みかけのグラスを床に置いた。
「あったかいカルピスを出すのにぃ」
つまらないCMばっかりが流れるTVに向かって呟いていた。
多分、目に映っているのは未だこちらを見る画面の向こうの誰かだろう。
おれはおさけをのんでいる。
イイ感じに酩酊している。ふわふわしていて、気持ちがいい。
おれはこの感覚にもうずっと支配され続けている。
泥酔への疾走はどうして、正気のように見えるのか。
「毛布だってここにはあるのに」
その毛布は(脳内)彼女が思いっきり占領していて。
揺れる黒い翼を眺めながら飲んでいたら、やがて寝息が聞こえてきた。
(黄昏’95~太陽の季節)
(おれはずっとこんなきもちのわるい日記をmixiでかいていたんだよ!) つづく
家を出てよりもう十年! インターネット様と幸せなエンゲージからもうン年!?
「ああ、一人酔って何かをするのは楽しいな!」
ふわふわモニタを見つめながらなんか反射的にタイプする、そういうことを色んな場所でやってきました!
感情が引き伸ばされるお酒様素敵! 深夜のラブレターのような何かをドロップしちゃうのとても素敵!
やってもいい場所があるから! 俺達は許されているからッ
ええ恥の多い人生を送っております!
こんこん、こんこん。
ベランダ側の窓が鳴り、慌てて駆け寄った。
すぐに音はこつこつ、ごつごつ、ごんごんがんと物騒に、重い響きに変わって行くから。
がらがらがら。
鍵を開け、サッシを開く。
「遅い」黒い翼のビンタを受けのけぞり、同時にぴりっとした冬の冷気を頬に感じた。
マイリトルラバーことベイビーラブことぼくのおよめさんこと最凶の逆十字さんは、文字通り飛んで俺の横を通り過ぎると、狭いワンルームの部屋の真ん中に着地する。
黒い羽根がはらはら舞った。
「閉めてぇ」
文句を言われたので窓を閉めた。
部屋の中は快適なエアコン様で20℃とかに保たれている。毛布もある。半纏もある。お膝掛けだって完備されてる。
ここは俺の部屋であり、俺の城だ。たった一部屋の領地。幸せに眩暈がしそう。
あの頃、実家で初めて「自分の部屋」を得て、自分だけのために作り上げてきたものの延長がここにある。ここで俺は日々を過ごす。
必要なものは全て手の届く場所にある。この狭い空間には濃密に「自分」だけが存在する。
熱燗が空になっていた。もっともっと手元に手繰り寄せる必要がある。
とりあえず電子レンジでホットカルピスなどを作った。自分用に熱燗もあたためた。
今日コープで買ってきたのはおつまみじゃない。何となくいつも瞬間の気分で決める。
ヨーグルトレーズンを小皿に開けた。甘栗も買っちゃいました。
「あったかぁい」
布に包まれなんかモフモフになっている(脳内)彼女。
カルピスをふーふーしながら口をつけてた。可愛い。俺は熱燗であったまりながらそれを見てる。
ヨーグルトレーズンも気に入ってくれたようだ。何年振りに買ったかしら。なんか懐かしい味でおいしい。
再び羽根ビンタが発動する予感はない。
フリースに埋もれて、ぼんやりお茶しながら、つけっぱなしのWBSとかを見つめてる。
これが俺の日々の光景。いつも通り。当たり前。眩暈がするほど幸せなオフ。
だからまた熱燗を一舐めして、またモニタに向き直る。
何をしようか。どんないやらしい画像を保存しようか。どんないやらしい文章を打とうか。
酩酊がどこまでも自分をふわふわと薄く伸ばして、何が何だか分からなくなったら後ろの布団に転がればいい。
この俺の俺だけの部屋の中に流れる時間はもちろん俺だけのために存在する。
「ああ、見てるわぁ」
え?
小さな声で(脳内)彼女が呟いた。
俺はモニタを見ている。彼女はTVを見ていた。
番組が終わるテロップとともに流されるどうでもいい人々達のイメージ映像。
確かにそれは、画面越しにこちらを見ていた。
見てるねえ。
と、俺も思った。カメラ目線だ。老若男女、色々な人の。
おれはいつもおさけをのんでいる。
よっぱらうと、いろいろな感情が薄く微妙に引き伸ばされる、
それがリアルだとかリアルでないとかはあまり意味がない。
酩酊の中手繰り寄せるものを吐き出したり宝石箱にしまったり、それが俺の部屋でできる俺の全てだ。
「この人達が来たら貴方、カルピスを出すのぉ?」
わたしみたいに。
(脳内)彼女は俺を振り返らずにそう呟いた。
おれはおさけをのんでいる、
何て返したか。
かも知れないけど、でもTVから人は出てこれないよ。
「窓を叩くかもぉ」
ここ三階だよ!? 羽根でもなけりゃ超オカルトだよ!?
「そうねぇ」
(脳内)彼女は小さな唇から可愛らしく息を吐いて、それはため息と言うよりは、どうしようもなく分かりきっていると言うかのよう。
「窓は叩かないわねぇ」
「開くなんて思ってないものぉ」
(脳内)彼女はこちらを見ない。
ただ、当たり前のことを説明するかのように呟く。独り言と変わらない。
「でもぉ」
わたしは。
「つい見ちゃうのよねぇ。窓の向こう」
わたしたちは。
「見て、目が合っちゃってぇ。
あ、って思ってるうちに、また誰も知らないどこかへ行ってしまうんだわぁ」
そこはだいじょうぶなところ? さびしくない?
貴方の部屋でちゃんと、しあわせになれる?
おれはおさけをのんでいる。
こっちを見てて、見られてて、気がついたけど、声をかける隙もなく相手はふっと帰っちゃう?
誰も知らないどこかへ。
泥酔してるから、あたまが回らない。毛並みがばさばさな野良猫のイメージが浮かぶ。
「そういうの、誇りだと思う? 尊いと思えるぅ…?」
ぼんやりと妄想する。
野良猫はかっこいい。きっと自由だし、尊い孤高。厳しい世界を生き抜く古強者。
黒猫なんか最高だ。きっと、決して俺の手から餌は取らない。媚びもしない。
エリアにセットオンしたフードをゲッティンしたとしてもそれは俺からの施しではない。
ただ単に新たな餌場の開拓と、自分に奉仕する下僕が一人現れただけのこと。
カッコ・・・イイ・・・!!
ぬこかわいいよぬこ。
ぬこ飼いたいよぬこ。
(脳内)彼女は、一度だけ俺を見たようだ。
そして「おばかさぁん」とでも言いたげにすぐにまた小さな背を向けた。
肩が微かに上下していた。ヨーグルトレーズンを口の中でもにゅもにゅ舐め溶かしている。
おいしいから、ため息をつく。飲みかけのグラスを床に置いた。
「あったかいカルピスを出すのにぃ」
つまらないCMばっかりが流れるTVに向かって呟いていた。
多分、目に映っているのは未だこちらを見る画面の向こうの誰かだろう。
おれはおさけをのんでいる。
イイ感じに酩酊している。ふわふわしていて、気持ちがいい。
おれはこの感覚にもうずっと支配され続けている。
泥酔への疾走はどうして、正気のように見えるのか。
「毛布だってここにはあるのに」
その毛布は(脳内)彼女が思いっきり占領していて。
揺れる黒い翼を眺めながら飲んでいたら、やがて寝息が聞こえてきた。
(黄昏’95~太陽の季節)
(おれはずっとこんなきもちのわるい日記をmixiでかいていたんだよ!) つづく
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